マネジメントしたい
農業改善を継続的に推進していくためには、マネジメントを充実させることが重要である。
マネジメントとは、「管理」することであるが、広義に考えると、「経営」することでもある。すなわち、会社が進む方向性を決めて、経営資源を効率的に配分すること、も含めてマネジメントと考える。
農業経営において、どのようにマネジメントするか?そのために必要な仕組みは?どのように仕組みを機能させるか?は、農業経営の根幹にも関わってくるため、重要な位置づけと認識して対応すべきである。
農業においてマネジメントすべき対象は、数多くある。
一般的には、何の作物を生産して、誰に、どのような形態で供給するのか?を決め、そのために必要な経営資源(人、圃場、農業機械・設備、資材、倉庫、など)を、どの程度、どのように確保すれば、良いのか?結果、利益はでるのか?をマネジメントすることが必要となる。
収益管理、作付・栽培管理、販売・出荷管理、品質管理、安全管理、経営資源操業度管理など、管理対象は多岐にわたる。
マネジメントの仕組みをつくりPDCAサイクルをまわす
管理は、経営が機能しているか?を確認する手段である。そのため、農業経営者が、何を、どのレベルで管理したいか?管理項目を決めて、マネジメントの仕組みを作る必要がある。決して、管理を目的化して、たくさんの情報を収集し(させ)、従業員を管理疲れしないようにすることが重要である。
そのためには、農業経営者が意図をもって仕組みを作り、きちんとPDCAサイクル(計画⇒実行⇒確認⇒改善)をまわすことがポイントとなる。収集した情報を経営者が活用しないと情報収集にかかったコストがムダになったり、どうせ情報を使わないのだから適当な数値を収集することになり、いざ活用したい場面になっても使えない数値になっていることも多い。
これは農業経営者の意識が管理が目的化した結果、収益面でもムダなコストがかかり、精神面でも従業員は動機づけされず、目的を喪失したまま業務に従事することになり、持続的な改善活動は維持できないバッドケースである。
経営者が考える農業経営をマネジメントで表現する
マネジメントは、農業経営そのものであると考え、経営者が何を大事にしているのか?を指標として明確にして、目標と目標達成のプロセスを明示すべきである。
そして、目的、目標を達成するために計画(行動)や 標準・基準を決めて、実施(維持)し、実施した結果を振返り(評価し)、要因を把握し、次善策(解決策)を検討する管理サイクルを構築し、月次や週次の会議体などで運用することが重要である。