改善を「当たり前化」したい

改善はプロジェクト的にスタートすることが多いが、最終的には組織文化として定着化することが望ましい。

一過性の改善ではなく、改善するのが当たり前になり、問題が気になってしょうがない、状態を構築することが競争優位の源泉となる。農業機械導入などハードの改善は、お金を出せば他社も同じように取り組める。一方、継続的に改善する、改善が組織文化として定着することは難しいことではあるが、定着化した時こそ、他社にマネができない圧倒的な差別化が可能となる。

現状に疑問を持つ

農業は長い経験にもとづき、栽培方法や作業方法などを確立してきたため、何かを変えることに抵抗を持つ人は多い。しかし、現状の作業が本当に適正なのか?あるべき姿なのか?を突き詰めて考えると、改善できる余地はまだまだ多いはずである。したがって、常に現状の方法に疑問的態度で問題視点を持つことがポイントとなる。

ある一つのテーマを改善したら終わりではなく、他の作業も改善対象に追加する、また改善したばかりのテーマについても、もっと改善できないか?と考えることが重要である。

改善活動を体質化

改善活動は、経営者からのトップダウンでスタートしたとしても、最終的には従業員に根づく活動とする必要がある。

そのためには、改善活動の実態が見える仕組みを構築し、朝礼・夕礼を活用し、進捗状況を常にモニタリングし、計画と実績の差異を把握して迅速に対応することが重要である。

また、改善活動の成果を評価し、切磋琢磨する仕掛けも重要で、例えば、品目チーム単位で、前年や前月・前週と比較して、改善率や利益率を評価し、良い意味での競争環境を構築して、従業員全員を巻き込んで改善活動を推進する。その他にも、私の№1目標を設定し、誰にも負けない特技を身につけるために、日々努力研鑽を推奨する制度など、意識づけする方法などもある。

全員が、今日よりも明日、明日より明後日、をより善くするために、問題点を探し続ける体質づくり(染み込んで離れない状態の構築)が重要となる。朝礼で、自発的に問題点を言い合う雰囲気、仲間のために一緒に改善案を検討する姿勢が、普通の光景として見られるようになる組織づくりを目指すべきである。

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