販売単価アップ
収益向上には、販売単価アップが重要である。
販売単価向上のためには、最高単価を知り、その差異はどこにあるのかを、3つの視点で検討することから始めよう。
売上アップの2本柱は、
*収量の向上
*単価の向上
である。
収量の向上は基本的には内部で完結する取組であり、比較的手を付けやすいが、単価の向上は外部との交渉が関わることが多いため、手を出しにくいと考える生産者も多いかもしれない。
しかし、当然のことながら、販売単価向上が収益向上に与える効果は大きい。
また単価向上の方法は、外部交渉の必要な「販売先の変更」だけでもない。
収量向上は農場長など現場の管理者中心に取組み、社長をはじめ経営陣は販売単価向上の検討に努めるべきである。
販売単価向上のための考え方
販売単価向上のためにまず取り組むことは、現実的な最高単価はどの程度なのかを知る、ということである。これにはまず、各市場や農林水産省が発表している市況情報を確認することが必要である。確認してみると、同一日でも、高値から安値まで、数百円の差があることが分かる。ベスト値ならばどの程度で販売可能性があるのか、現状どの程度で販売しているのか、その差を認識し、その単価差を生み出している要因は何か、以下の3つの観点で考えていく。
「販売先単価差」
まず考えられるのが、販売先(買い手)による単価差である。高価で買い取ってくれる販売先はどこなのか、直接取引する比率を高められないか、契約単価/契約形態を変更できないか、といった視点で検討を試みる。
「品質(等級)単価差」
次に考えられるのは、品質による単価差である。より高品質な作物の比率を高められないか、また、等級が低いと判定されてしまうものでも、適正な単価で契約出来ないか、といった視点で検討する。
「季節単価差」
さらには、季節による単価差も考える必要がある。単価が高い時期は、栽培が難しいことが多いが、なんとか工夫して単価の高い時期を狙って出荷することが出来ないか、といった視点で検討する。
以上、単価向上のためには、「販売先」「品質」「季節」の3つの視点の組み合わせで施策の方向性を検討することが重要である。