儲かっているの?
農業改善におけるファーストステップは、何を改善すべきか?当たりをつけることである。
儲かっているのか?収益を分析することで、問題を発見するヒントが得られる。作物別に収益分析すると、儲かっていると思っていた作物が意外と収益性が低いことがある。
なぜ儲からないのか?どこに問題があるのか?を発見することがスタートである。
収益分析で「宝の山を発見」する
農業において、収益分析することは面倒なことである。
特に作物別や販売先別、圃場別に収益分析するとなると、その区分ごとのデータを把握する必要がある。
しかし、面倒だと思う前に、自分が作っている作物が儲かっているのか?をきちんと知るべきである。農業経営の通信簿である財務諸表をもっと良くするために、もっと稼ぐためには、何が必要なのか?をきちんと把握しないと、経営改善の方向性を見誤ることになる。
収益分析を、宝探しと考えることで、面倒だと思っている気持ちが変わってくる。意外な問題を発見でき、改善すべき対象が見えてくる、と改善意欲が沸いてくる。
露地野菜生産者で、主力の作物は儲かっていると思っていたが、収益分析で適正な農業機械コストを配分し、作物ごとの利益を算出すると、実は赤字になっていることに気づき、改善の必要性を実感した、というケースがあった。しかし、この農業経営者は、赤字に落ち込むのではなく、絶対に改善して成果を出すと改善活動に意気込んでいた。
改善視点をもって細かく分析
儲かっているのか?を把握するためには、品目別に利益を算出する必要がある。
儲かるためには、儲かっていない品目を改善することが効果的なためである。また、原価構成比率が高い費目や前年と比較して変化が大きい費目についても、改善対象として考える。
狙いをつけた改善対象については、収益構造をさらに展開し、細かく分析することで、どこに、どの程度の問題点があるかを発見できる。
例えば、
ー売上高が低下した要因は、販売単価が低下していた。
ーー販売単価が低下した要因は、B社の販売単価が大きく低下していた。
と分析すると、B社との取引方針や販売単価の決定方法を変える方向性を導くことが可能になる。
改善のためには、問題点を見つけることが先決であり、問題点はきちんと、収益構造展開して、経営の影響度が高い対象を選定することが重要となる。
なお、作物ごとの収益管理の方法の詳細に関しては、「収益管理」のページでも紹介している。